キャッシュレス決済5%還元

ホーム > 美味のネタ帳・知っとくシリーズ一覧 > 美味のネタ帳・知っとくシリーズ

美味のネタ帳・知っとくシリーズ

■食の安全、問われる売る側のモラルと消費者の良識

今回は産直便の本質そのもの、産地表示の課題について、この分野ではオーソリティーの藤田 普さん(新潟中央水産市場社長、新潟ふるさと村鮮魚センター・マリーンの社長を兼務、消費者問題にも詳しい)から、JAS法の下での問題点や留意点などを、解説いただきました。聞き手はフレッシュライン新潟・社長の鈴木 寛です。

 

チリの巨大地震で日本の鮭流通が変わる!?

鈴木:3月にM8.8の巨大地震が発生した南米チリ、津波警報が発令されるなど日本でも大きな影響を受けたことはまだ記憶に新しいところです。最近、藤田社長の鮮魚センターでもチリ産の魚介類が増えているようですが、地震による影響は?

藤田:魚の世界では、チリはサケ・マスの輸出国でその量は世界2位、特にトラウドサーモンの養殖に力を入れていましたが、今回の地震でその施設に深刻な被害が出た模様です。また日本にとってチリは最大のサケ・マス輸入国で1999年以降首位をキープしていますが、その主体は今回被害を受けた養殖施設からによるもの、大手弁当チェーンの“鮭弁当”などの供給に対する影響が強く懸念されます。

鈴木:ワインなどもチリ産が増えてますね。津波の恐怖もありますからもう「対岸の火事ならぬ地震」じゃ済まない?

藤田:そうですね、それは影響大です、困ってます。

 

国名だけでは難しい?判断材料は不足 

鈴木:先日、うちの近くのスーパーでのひとコマ、お母さんと中学生くらいの娘さんが鮮魚コーナーでお買い物中、「母さん、この大きなエビ、アルゼンチン産だって、南半球だよね。」と娘さん「そうね、暖かいところのエビなんか美味しくないわよ、きっと…」とお母さん。

藤田:エッ?アルゼンチン南端の方は南氷洋で、素晴らしい漁場ですよ!!

鈴木:さらに「ワタリガニ、バーレーン産」と表示のある商品を手にとった娘さんが読み上げれば「そんな中東のカニ、何か石油の匂いがしそうね、止めとこ」

藤田:魚が売れないわけだ(笑)。もう表示すればいいという問題じゃないね。

鈴木:このご家庭、当夜は「海鮮鍋」だそうですが、いったい何が鍋の中に入ったのでしょうか? まあ余計なお世話ですが…。

 

藤田:JAS法の改正により、全ての生鮮食品についてその原産地表示が義務付けられるようになりましたが、近海ならまだしも「オランダ産カズノコ」・「地中海産鯵」となるとピンとこないお客様も多いようです。

鈴木:この法改正は、例えてみれば、外国籍の方は母国の国名を、日本人の方は出身都道府県名を記載したプレートを首にかけて、相手側から見て直ぐに判るようにすることを義務付けたようなものです。でも国名や出身県を表示するだけで後は消費者に判断を委ねる、これで正しい判断することは、かなり難しい、良識やある程度も必要ですね。

藤田:その通り。○○産だから大丈夫、××産だからいけないと、予備知識や先入観で判断するのもやや危険、難しいですね。例えば「新潟」…いいねえ、去年の夏の甲子園で日本文理高の素晴らしい粘り、きっと生産者も一生懸命に作ってんだろうなあ、「カナダ」…冬季オリンピックも終わったし、カナダ人はきっといい人達だろう、「モンゴル」…首都はウランバートル? 朝青龍問題、横綱は品格も…,難しいなあ()

鈴木:この前、大手スーパーで「モーリタニア産のタコ」っていうの見ましたよ、…アフリカかな?獲れた海域なのか水揚げ港なの…よく解りません、これでいいのかなあ。もしフランスにもJAS法にあたる法律があったら、パリのスーパーの表示は、<日本産・米>、<日本産・牛肉>、<日本産・みかん>、<日本産・一夜干いか>…、となっているのかな?これじゃちょっと味気ないですね。

藤田:なるほど!!コメなら「新潟」とか「魚沼」、牛肉では「松阪」などという固有名詞がないと、ランクが見えない、問題ですね!どれがいいのか、素人判断では解りませんね 

   

鈴木:<フレッシュ産地直送便>では、信州りんご・巨峰、新潟のコシヒカリや梨について、信頼のおける生産者と直接契約し、高いレベルで食の安全の確立や品質の安定化を実現させています。契約生産者は決してイケ面ではありませんが、大変熱心でいい人ですよ。「コシヒカリ」の生産者は怖そう、思わず110番してしまいそうな人相で、できれば写真は載せたくない、載せることでメリットはないと…(笑)。

藤田:幼い頃よく親に「人は外見で判断してはいけないよ」と教えられました。

鈴木:そうですよね。その点からいくと藤田社長はやはりいい人です。

 

偽装表示対策、表現にも注意が必要…?

藤田:「一夜干いか」は実際どれくらい乾燥させるのですか?お客様からこんなお問合せをいただきました。文字通り一晩ですとお答えしたいところですが、実はほんの数時間、佐渡の伝統的技法に則り、風を当てて乾燥させます。これも正確な表現にしなさいってご指導があるんでしょうか?

鈴木:「一夜干いか」ならぬ「4時間干イカ」、いえいえ「一夜未満干イカ」でもなく「一夜以下干」(笑)。例えば「黒山の人だかり」だって茶髪の人も白髪の人も、帽子をかぶった人もいるかも知れない…。「鶴は千年亀は万年」とか、「一日千秋」・「海千山千」…のようなものも?よく考えれば大袈裟な表現ですが、消費者に誤認を与えることがなければ、むしろ情緒があっていいと思いますよ。

 

食い止めたい、消費者の魚離れ

藤田:昨年の水産白書によれば、国民一人当たりの魚介類摂取量が減少し続け、全ての世代で魚離れが加速、量としても肉類を初めて下回りました

鈴木:何とかしなければ!

藤田:そうなんですが、これはそう簡単に改善できるものではありません。日本の周辺水域の水産資源量が低迷していることに加え、漁業従事者の減少もあって状況は深刻です。

鈴木:当社の<美味のネタ帳>でも、こだわりの日本海の幸など、お客様のご期待にそえるネタを随時発信し、魚離れに歯止めをかけることができるように努力したいと思います。

藤田:まさにその当事者として、魚の普及活動に努め、新鮮・安全で、かつ美味しいお魚を提供できるよう精一杯頑張ります。引続きよろしくお願いいたします。

鈴木:お忙しいところ、ありがとうございました。

 



株式会社 フレッシュライン新潟

[更新日 2010/6/10]